【学習のねらい】
私たちは、地球という惑星の地表で、さまざまな自然環境に囲まれて暮らしている。そして、私たちも自然に属するものとして、自然の存在である。その意味からいって人間を人間的自然といってもよい。
人間は自然環境の中で、自然を相手として生活しているのだが、素手で、そして一人で自然環境に向かっていくにはあまりにも無力である。道具を使い、むれをつくって力を合わせて動物や自然の脅威から身を守り、獲物を狩り、大地へ働きかけて作物を作って暮らしていた。人間は、群れを作ることから始めて、むらの共同体をつくり、国を作り、現在私たちが、そのなかで暮らしているような複雑な社会組織や制度を作り上げた。また、簡単な道具を作ることから始まって現代の高度な生産・交通・コミュニケーションその他の科学技術を発達させた。そして今、まさにデジタル化が進んでいる。
このように人間が自然環境の中で生きていくために創造し、発展させてきた生活のしかたを文明という。文明は人間がつくりあげてきたものであるけれども、私たちが生まれてきたときには、自然環境と同じく一定の文明が与えられている。そういう意味で文明を昔から*「第二の自然」とも言っている。
こうして自然は三重の構造あるいは関係を持っている。自然−第二の自然−人間的自然である。
人間は、その生存を確保するために、ほかの動物たちには見られないことば・道具・組織−文明(文化)をつくり発展させてきた。文明によって人間は、さまざまな困難を乗り越えてきた。地理歴史科は、人間と人間のいとなみである文明について学習する教科である。そして文明をいくつかの角度からとりあげて学習する。
*???人間は「外の自然と共通で、外の自然と交流しあう、情緒的で、感覚的な、あるいは食欲や性欲という生命力の表現をはじめとする身体的な、いわゆる『第一の自然』とよばれるものと、科学、技術、生産などにかかわる『第二の自然』とよばれる二つの自然を持っており、その交錯、調和、統一によって生きている。」(暉峻淑子『豊かさとは何か』岩波新書、89年9月)
【学年配当】
第一学年に地理を配当し、日本および世界の人々と自然との相互の関係を社会生活の基礎事実として理解させ、広い視野に立って社会や国家、国際関係についての見方、考え方を学習する。
第二学年では、世界史を配当し、世界史の発展過程を理解させ、人類史的に考察させる。さらに、世界の学問、思想、宗教、芸術などの文化遺産を、社会の背景や文化の交流の史実を通して理解させる。
第三学年では日本史を配当し、民族がどのように成立し、発展してきたかについて考察する。そして、日本の文化を政治や社会・経済の動きとの関連の中で理解することにより、歴史的背景を把握させる。そして、我が国の学問、思想、宗教、芸術などの文化遺産について理解を深め、さらに新しい文化を創造し、発展させる意欲を高める。尚、第三学年に日本史、世界史、地理の三教科の選択二単位を設け、受験対策として対応していく。